新潮文庫 nex

LITERARY WORK DETAIL 作品詳細

アナタトナラタベテモイイショクノアルナナツノフウケイ
あなたとなら食べてもいい—食のある7つの風景—
千早茜/著、遠藤彩見/著、田中兆子/著、神田茜/著、深沢潮/著、柚木麻子/著、町田そのこ/著
東麻マユカ/イラスト
一緒に食べる時間は贅沢なドラマかもしれない。
穏やかな食卓を囲む二人に潜む秘密。盗まれたエクレアが導く驚きの結末。最後の砦のような居酒屋に集う人々の孤独。減量に奮闘する女性が巡り会った恋。美食の上で繰り広げられる女同士の舌戦。幼なじみと再会して作る菓子の味。駄菓子を食べ合う瑞々しい初恋とそれを眺める大人達の切ない祈り……。7人の作家がこしらえた、色とりどりの食べものがたりに舌鼓を打つ絶品アンソロジー。
ISBN
978-4-10-180226-8
発売日
2021年11月 1日

プロフィール

チハヤ・アカネ

1979年生まれ。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。同作は2009年に第37回泉鏡花文学賞も受賞した。2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞を、2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を、2023年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞した。他の小説作品に『男ともだち』『西洋菓子店プティ・フール』『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』『ひきなみ』やクリープハイプの尾崎世界観との共著『犬も食わない』等。食にまつわるエッセイも好評で「わるい食べもの」シリーズ、新井見枝香との共著『胃が合うふたり』がある。

エンドウ・サエミ

東京都生れ。1996年、脚本家デビュー。テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、初めての小説『給食のおにいさん』を発表。著書に、シリーズ化された同作のほか、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』などがある。

タナカ・チョウコ

1964(昭和39)年、富山県生れ。8年間のOL生活ののち、専業主婦に。2011(平成23)年「べしみ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。同作を収録した『甘いお菓子は食べません』でデビュー。2019(令和元)年『徴産制』でセンス・オブ・ジェンダー賞大賞を受賞。ほかの著書に『劇団42歳♂』『私のことならほっといて』『あとを継ぐひと』などがある。

カンダ・アカネ

北海道帯広市生れ。講談師、作家。1985(昭和60)年、講談師の二代目神田山陽門下に入門。1995(平成7)年、真打ちに昇進。女性の心情をユーモアと切なさを織り交ぜて語る、独自の新作講談が人気を博す。2010年、長編小説『女子芸人』で新潮エンターテインメント大賞を受賞。著書に『好きなひと』『ふたり』『ぼくの守る星』『しょっぱい夕陽』『七色結び』などがある。

フカザワ・ウシオ

1966(昭和41)年、東京生れ。2012(平成24)年「金江のおばさん」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。受賞作を含む連作短編集『縁を結うひと』(『ハンサラン 愛する人びと』改題)を始め『ひとかどの父へ』『緑と赤』『海を抱いて月に眠る』のような在日の家族が抱える“答えの出ない問い”に向き合う作品や、現代女性の価値観に切り込む『伴侶の偏差値』『ランチに行きましょう』『かけらのかたち』などがある。他の著書に『乳房のくにで』『翡翠色の海へうたう』など。

ユズキ・アサコ

1981年東京生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。ほかの作品に『私にふさわしいホテル』『ランチのアッコちゃん』『伊藤くん A to E』『本屋さんのダイアナ』『マジカルグランマ』『BUTTER』『らんたん』『ついでにジェントルメン』などがある。

マチダ・ソノコ

1980年生まれ、福岡県在住。2016年「カメルーンの青い魚」で第十五回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年、同作を含む短篇集『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞。他の著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家』『星を掬う』『宙(そら)ごはん』「コンビニ兄弟」シリーズがある。