新潮文庫 nex

LITERARY WORK DETAIL 作品詳細

アナタノウシロニイルダレカネムレヌヨルノヤッツノモノガタリ
あなたの後ろにいるだれか—眠れぬ夜の八つの物語—
恩田陸/著、阿部智里/著、宇佐美まこと/著、彩藤アザミ/著、澤村伊智/著、清水朔/著、あさのあつこ/著、長江俊和/著
くまおり純/イラスト
振り向いてはいけない。何があっても知らないよ。
静かな夜。誰もいないはずの部屋の暗がりに、うごめく不穏な気配——。訪れる者が姿を消す不気味な学園の秘密とは。雨の停留所で出会った男が語りだす、幼き日の壮絶な恐怖体験。作者不明の怪談作品に取りつかれる小説家。霊能力者を自称する男と、彼の力を疑うジャーナリストの論争、その戦慄の結末。八人の作家が競作、読後も震えが止まらない、背筋凍らせるホラー・アンソロジー。
ISBN
978-4-10-180222-0
発売日
2021年8月 1日

プロフィール

オンダ・リク

1964(昭和39)年、宮城県出身。早稲田大学卒。1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を、2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞した。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国常野物語』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』『スキマワラシ』『灰の劇場』などがある。

アベ・チサト

1991(平成3)年群馬県生れ。2012年デビュー作『烏に単は似合わない』で松本清張賞を受賞。以降「八咫烏」シリーズとして多数の作品を刊行、人気を博す。他の著作に『発現』がある。

ウサミ・マコト

1957年、愛媛県生まれ。2007年、『るんびにの子供』でデビュー。2017年に『愚者の毒』で第70回日本推理作家協会賞〈長編及び連作短編集部門〉を受賞。2020年、『ボニン浄土』で第23回大藪春彦賞候補に、『展望塔のラプンツェル』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれる。他に『熟れた月』『骨を弔う』『羊は安らかに草を食み』『子供は怖い夢を見る』『月の光の届く距離』『夢伝い』など、著書多数。

サイドウ・アザミ

1989(平成元)年岩手県盛岡市生れ。岩手大学教育学部芸術文化課程卒業。2014年『サナキの森』で新潮ミステリー大賞を受賞しデビュー。耽美な世界観を描く精緻な筆致と軽妙なキャラクター同士のやりとりが魅力。他著書に『樹液少女』「昭和少女探偵團」シリーズ『不村家奇譚―ある憑きもの一族の年代記―』がある。

サワムラ・イチ

1979年大阪府生まれ。2015年「ぼぎわん」(刊行時『ぼぎわんが、来る』に改題)で第22回日本ホラー小説大賞を受賞。同作は『来る』のタイトルで映画化もされる。2017年『ずうのめ人形』が第30回山本周五郎賞候補に選出。2019年「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。2020年『ファミリーランド』で第19回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞。近著に『邪教の子』、『怖ガラセ屋サン』などがある。

シミズ・ハジメ

唐津市生れ。2017(平成29)年『奇譚蒐集録一弔い少女の鎮魂歌―』が日本ファンタジーノベル大賞最終候補に。同シリーズに『奇譚蒐集録一北の大地のイコンヌㇷ゚ー』が、近著に『神遊び』がある。

アサノ・アツコ

1954(昭和29)年、岡山県生れ。青山学院大学文学部卒業。小学校講師ののち、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリーII』で日本児童文学者協会賞、『バッテリーI~VI』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。著書は『福音の少年』『No.6』シリーズ、『弥勒の月』『ありふれた風景画』『ランナー』『夜叉桜』『The MANZAI』『晩夏のプレイボール』『ぬばたま』『ゆらやみ』『火群のごとく』『透き通った風が吹いて』『ハリネズミは月を見上げる』『神無島のウラ』など多数。

ナガエ・トシカズ

1966年、大阪生まれ。映像作家、小説家。2003年に第一回が放送された「放送禁止」シリーズは、不定期な深夜番組ながら、熱狂的なファンを獲得。その後、テレビ版七本、劇場版三本が製作され、「放送禁止」ブランドとして確立した。また、2002年には『ゴーストシステム』で小説家としてもデビュー。2014年に刊行された『出版禁止』は、テレビでも紹介され、大きな話題となった。『出版禁止 いやしの村滞在記』は、その第三弾となる。他書に、『出版禁止 死刑囚の歌』『掲載禁止』『検索禁止』(新潮社)、『東京二十三区女』(幻冬舎)、『恋愛禁止』(KADOKAWA)などがある。