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どうも、円居挽です。。
いきなりですが究極の名探偵とは何でしょうか?
......おそらく、すぐには答えが出ないと思います。。
勿論、私も真面目に考えてみました。隙のない捜査で確実に犯人を捕らえる元刑事、いかなる矛盾も解消して真実を解き明かす論理家(ロジシャン)、騙しの技術を応用してトリックを見破る奇術師、人間の心の動きを全て掌握し犯人すら思い通りに動かす老達人......いずれも凄腕の名探偵ですが、究極かと言われれば果たしてどうでしょうか。そもそも何を以て究極とするのか......こんな悩みから誕生したのが『シャーロック・ノート』です。。
さて、本作の主人公である剣峰成は家族と過去を理不尽に奪われた少年です。彼は大切なものを取り戻すために探偵養成学校である鷹司高校へと身を投じます。そんな成を待ち受けているのは仲間との楽しい学園生活ばかりではありません。優秀な探偵候補生、凄腕の名探偵、そして恐ろしい犯罪者......彼らとの"戦い"で成がこれからどのような成長を遂げるのか、そして彼は「究極の名探偵」となれるのか、作者の私も楽しみにしております。

円居挽Madoi Ban
1983(昭和58年)年、奈良県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。2009年(平成21)年、『丸太町ヴォワール』で長編デビュー。大仕掛けのミステリと個性溢れるキャラクターの書き手として、若い世代から強い支持を受けている。他の著書に『クローバー・リーフをもう一杯、今宵、謎解きバー「三号館」へ』などがある。