新潮文庫 nex

YOMIMONO 読み物 小説、エッセイ、著者インタビュー、等々。新潮文庫nexが贈る特別コンテンツ。

新潮社では、初めまして、になります。こんにちは、雪乃紗衣です。前作「彩雲国物語」シリーズを終えてから、少し筆を擱き、「さて、これからどうしよう」とボンヤリ考え、ボンヤリ眠り、起き上がりこぼしのように揺れ......。 そうして、また筆を執って書きはじめたのが、この「レアリア」です。「レアリア」の世界は、(誰も止めなかったので)結構ごった煮です。おや?という単語や小物もちらほら。皇帝、魔女軍師、仮面の少年皇子、暗がりを歩く道化師、戦場で墓掘りする少女(←主役)、美貌の枢機卿......etc。前作とはまた違ったモチーフを、籠に詰めました。

でも墓掘り部分は、前作の某刑部尚書を思いだして結構でございます。私も若干頭にちらついてました。彼の呪いかも。あと、サイトのフラッシュでは全然わかりませんが、登場人物の平均年齢が、高......。彼らがそれぞれ、どんな物語を始め、そして終わらせていくのか、よろしければご覧になってみてください。雪広先生の描かれる絵も、どうぞお楽しみに!
ボンヤリしてる間も寄せてくださった読者のあたたかなお手紙が、私の背を静かに押してくれました。待っていてくださった方々へ、心からの感謝を捧げます。本当に、遅くなりました。 私の2作目にして、10年ぶりの新作(......)、手にしてくださった方々が、楽しんでくださることを、祈りつつ。

雪乃紗衣

雪乃紗衣Yukino Sai
茨城県生れ。2002(平成14)年、『彩雲国綺譚(さいうんこくきたん)』で第1回ビーンズ小説賞の読者賞と奨励賞を受賞。翌年、これを改稿した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』でデビュー。10代から70代という幅広い読者層に支持された同シリーズは、2011年に完結し、累計650万部超の大ヒットを記録した。そのスピンオフで2012年刊行の『彩雲国秘抄 骸骨を乞う』も話題を呼んでいる。2014年、『彩雲国』シリーズ以来となる、著者10年ぶりの新シリーズ『レアリア』を発表。