YOMIMONO 読み物 小説、エッセイ、著者インタビュー、等々。新潮文庫nexが贈る特別コンテンツ。
2014年8月アーカイブ

でも墓掘り部分は、前作の某刑部尚書を思いだして結構でございます。私も若干頭にちらついてました。彼の呪いかも。あと、サイトのフラッシュでは全然わかりませんが、登場人物の平均年齢が、高......。彼らがそれぞれ、どんな物語を始め、そして終わらせていくのか、よろしければご覧になってみてください。雪広先生の描かれる絵も、どうぞお楽しみに!
ボンヤリしてる間も寄せてくださった読者のあたたかなお手紙が、私の背を静かに押してくれました。待っていてくださった方々へ、心からの感謝を捧げます。本当に、遅くなりました。 私の2作目にして、10年ぶりの新作(......)、手にしてくださった方々が、楽しんでくださることを、祈りつつ。
雪乃紗衣
雪乃紗衣Yukino Sai
茨城県生れ。2002(平成14)年、『彩雲国綺譚(さいうんこくきたん)』で第1回ビーンズ小説賞の読者賞と奨励賞を受賞。翌年、これを改稿した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』でデビュー。10代から70代という幅広い読者層に支持された同シリーズは、2011年に完結し、累計650万部超の大ヒットを記録した。そのスピンオフで2012年刊行の『彩雲国秘抄 骸骨を乞う』も話題を呼んでいる。2014年、『彩雲国』シリーズ以来となる、著者10年ぶりの新シリーズ『レアリア』を発表。

映画、とタイトルには入っていますが、内容に映画の要素はないのです。制作、しません。鑑賞、しません。映画館を舞台に出会いと別れが描かれ、ません。映画、関係ありません......。
ストーリーはいわゆる「ボーイミーツガール」、東京の片隅で中途半端に生きていた異性二人が出会って、そして――な内容です。
しかしミーツする二人が「ボーイ」と「ガール」の年齢制限を超えているような気もします。とはいえ「大人の男」ミーツ「大人の女」というのも、なにか明らかにとっても違う。
言うなれば、「未熟者ミーツ未熟者」......?
そんな感じの作品です。もしもご興味もって頂けましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
竹宮ゆゆこTakemiya Yuyuko
1978(昭和53)年、東京生れ。2004(平成16)年、「うさぎホームシック」でデビュー。軽快な会話劇を軸に、男女間の生き生きとした恋愛模様を描く書き手として、強い支持を集めている。他の著書に「わたしたちの田村くん」(全2巻)「とらドラ!」(全13巻)「ゴールデンタイム」(全11巻)がある。

新人として出版の機会を与えて頂けたこと、とても光栄に思っています。と同時に、驚愕によって膝がガクガクと振るえ、未だに真っ直ぐ歩けない日々を送っておりまして、これに更に発刊に向けて「皆様に楽しんで頂けるか」という不安が加わるのかと思うと、今から新しい境地を予感して楽しみで仕方ありません。まったく、人間とは可能性の塊で、私は人間のそういったところを愛して止みません。
実のところ、私自身は私自身の小説というものの面白味に確信があるわけではないのです。しかしながら世の中というのは往々にぼんやりとしたものなのかもしれませんし、ましてや人間ならば自分に確信のある人などきっと一握りでしょう。そういった意味では、何かをするということは全て等しく、確信を得るための未知への「挑戦」と捉えることが出来るのかもしれません。皆確信を持つために日々挑戦しながら生きている。私もこの一冊から小説家としての挑戦を始めていきたい所存ですので、どうぞ宜しくお願い致します。願わくば私の小説が、一つ二つでも皆様が自分の中に確信を持つ手助けとなることを祈っております。
神西亜樹Jinzai Aki
1990(平成2)年、東京生れ。2014年、「小説家になろう」サイト上に投稿された「坂東蛍子、子供に脛を蹴られる」で「新潮nex大賞」大賞を受賞。本書がデビュー作となる。
2014年8月26日 12:46
文庫をいちばん面白く――。新潮文庫の100年は、「面白さ」への挑戦の歴史です。その時代、その瞬間によって変化する「小説の面白さ」を新潮文庫は追求してきました。
書き下ろし、オリジナルの文庫が増え、市場動向が激変する中、いま「面白い」小説とは何か。
「キャラクター」が新潮文庫の答えです。この小説に出てくる登場人物は「リアル」ではないかもしれません。あるいは、「社会的」でもないかもしれません。現実ではありえないような個性と、言葉と、振る舞いで、読者を「あっ」と驚かせる物語の主人公たち。それが、いま最も強く、読者を物語に引きこむ「キャラクター」であると新潮文庫は考えます。
小説の、文学の、新たな入口に。100年の歴史を持ち、文芸出版の「新潮文庫」だからこそできる「キャラクター」と「物語」「文学」の融合を。新潮文庫は、次世代ラインナップ「新潮文庫nex」の刊行を開始します。
新潮文庫編集部「新潮文庫nex」編集長 髙橋裕介